栄養管理科

入院中のお食事は、患者さんにとって療養生活の中で数少ない楽しみの一つであるだけでなく、 「治療の一環」として病気や怪我からの回復を早めたり、重症化や合併症を予防するなどの役割を担っています。

栄養管理課では、患者さん一人一人の身体や心の状態に合わせて安心・安全で美味しいお食事をご提供できるよう 日々取り組んでいます。 また、外来患者さん、入院患者さんに栄養相談を行ったり、NST(栄養サポートチーム)活動等のチーム医療にも携わるなど、 栄養面から治療・療養を支えています。

入院患者様の栄養管理について

個別栄養管理

当院では、入院患者様一人一人の栄養管理を行っています。
特別治療食の患者様には、治療食の内容とその必要性についてご説明し、治療の一環としての食事への理解を深めていただきます。
また、食欲がない、飲み込みにくい・噛めないなど、食事が進まない患者様には、お話を伺って食事内容の検討も行います。

NST(栄養サポートチーム)

入院中の患者様は、病気や怪我を治すために普段以上に栄養が必要な状態にありますが、 実際には「食欲がない」「飲み込みや咀嚼の問題で必要な量が食べられない」 「食べられないので管を使って栄養剤を入れている」「点滴だけで栄養をとっている」など、 栄養状態が悪くなるような問題を抱えた方が数多くいらっしゃいます。

NST(栄養サポートチーム)は、医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士など 色々な職種が協力して安全で有効な栄養管理を行うためのチームで、 そのような栄養上の問題を様々な視点から検討して栄養療法を行っています。 活動はNST専従管理栄養士を中心に各職種が連携をとりながら、 週1回のカンファレンスと回診を実施しています。また随時勉強会も開催し、知識の向上と活動内容の充実を図っています。

薬剤部

当院では外来患者様への院外処方箋の発行を行っています。
薬剤部では入院患者様に安全で安心できる薬物療法を受けていただく為、薬剤の調剤とともに医薬品の管理、供給、情報提供、服薬指導などの業務を通じて、医薬品の適正使用と適正管理を推進します。
また、チーム医療の一員として薬物療法を支援し、患者様のQOL の向上に取り組んでいます。

調剤業務

調剤室において、内服薬・外用剤・注射剤の調剤を行っています。 処方せんや調剤手順書に基づき、正確に調剤するのはもちろん、薬の量や使い方、飲み合わせ再確認します。もしも、処方内容に疑問があれば速やかに問い合わせを行います。 また、患者様から処方されたお薬に対してご質問があれば、誠意をもって対応し、安全かつ適切なお薬の提供に努めています。

薬剤管理指導業務

入院患者様のお薬の服用歴、副作用歴、アレルギー歴などの情報を元に、お薬の説明をするだけではなく、患者様に安心して治療を受けていただくことができるよう、薬剤師の立場から患者様の入院中の薬物療法について指導を行います。

薬剤情報業務

医薬品に関する情報(DI情報)や副作用に関する情報の収集を行い、医師や看護師など院内の医療関係者に医薬品情報を提供することにより医薬品の適正な使用を推進し、医療の安心・安全の確保に役立てています。

臨床検査科

検査科では、血液や尿など患者様の体から取り出した成分や細胞の形や数などを調べる検体検査や、心電図や腹部超音波検査などの生理検査などを行い、体の中から得られた情報を診療や治療に役立てています。

基本方針

「検査データを正確・精密・迅速に」を基本方針に掲げており、
みなさまが安心して受診できる医療に貢献します。

臨床検査科の取り組み

1.臨床検査科では、24時間体制で検査を実施しております。
2.チーム医療の一環として栄養サポートチームの活動に参加し、他職種のスタッフと協力して診察支援を行っています。
3.当院の検査室は、内外部の精度管理(正しく検査が測定できているかを調べること)を行い、正確な臨床検査データの提供に努めております。

生化学検査

血液から種々の蛋白質や各種酵素、脂質、糖などを測定することにより、肝臓をはじめとする膵臓、腎臓などの各臓器の異常を早期に見つけることが出来ます。 緊急で検査依頼の場合は、患者さんの採血後40分以内で検査結果の報告をしています。

血液検査

貧血、感染、白血病などを診断するため、血液中の赤血球・白血球・血小板の数を測定しています。

一般検査

尿を検査することにより、主に腎臓・尿路系疾患の異常を発見することが出来ます。

生理検査部門

不整脈、狭心症、心筋梗塞などを調べる心電図検査や呼吸器(肺・気管支など)の働きを調べる肺機能検査を行っています。

心電図

心臓の筋肉が全身に血液を循環させるために拡張と収縮を繰り返すとき、微弱な活動電流が発生します。その変化を波形として記録し、不整脈・狭心症・心筋梗塞等の診断に役立てます。 検査方法は、両手首、両足首と胸に六ヶ所電極を付けてベッドに寝ていただき、安静にするだけで、痛みもなく数十秒間で終わります。

ホルター心電図

通常病院で行われる安静時心電図は数十秒のため、症状の原因となる心電図変化をタイミング良く記録できるとは限りません。 24時間記録することにより、心電図の変化をうまくとらえやすくなります。 検査方法は、胸に電極と80g程度の小型心電計を貼り付けて帰っていただきます。 普段通りの日常生活を過ごしていただき、機械は翌日外しに来ていただきます。 検査結果は約一週間で出ます。

肺機能検査

肺の大きさや働き具合、また気道の大きさを調べる検査です。息切れする、呼吸が苦しい、咳や痰が出るなど肺の病気が考えられる時に行います。

血圧脈波検査(ABI)

ABI:下肢動脈の狭窄や閉塞の程度がわかります。 動脈硬化の評価や血管の狭窄の程度を調べる検査です。 動脈硬化とは血管の弾力性が失われ、硬くなったり血管の壁にコレステロールなどがたまり、血液の流れが悪くなった状態のことです。 動脈硬化が進行すると心臓に大きな負担がかかるため、高血圧、心肥大、心不全などの疾患につながります。また、血管が狭くなったり詰まったりすることで、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などを引き起こします。 検査方法は、ベッドに横になっていただき両腕・両足首4ヵ所の血圧を測定します。同時に心電図、心音も記録します。血圧が高い方は圧が強くかかるため少し圧迫感があることがあります。検査時間は、5分~10分程度です。